安全・信頼性推進部では衛星・ロケット・探査機等、様々な宇宙機を開発する際の道しるべとなるよう多くの共通文書を整備しています。これらは、より効率的な開発を進めるため、より成功確率を高めるため、長い年月をかけて追加や見直しされながら出来上がった、所謂「虎の巻」です。成り立ちとしてJAXA内部利用が主であったことから、体裁として「~すること」「~しなげればらない」といった表現になっていますが、この中にはベンチャー企業にとっても役立つ情報が必ずあります。
安全・信頼性推進部では、プロジェクトの成功に貢献するための様々な研究活動を実施しています。その一部の成果については、広くみなさまに役立てていただくために、ノウハウ、プログラム、知財等を提供しています。また、将来の研究活動を共同で実施した頂ける民間企業・大学等のパートナーも適宜募集しています。
JIANT / システム視点のリスク分析 / 金属積層造形
安全・信頼性推進部では、JAXAで発生した不具合を登録・管理するデータベース:『不具合情報システム』を維持・運用しています。不具合情報システムには、宇宙機の開発現場、地上設備の試験・運用現場、宇宙での運用中トラブル等、長年にわたる様々な不具合情報が蓄積されています。我々はこれら不具合情報の収集・分析を行い、そこから得られた知見・教訓をプロジェクトに展開したり、共通技術文書に反映することでミッション成功に貢献できるよう活動しています。
地球周回軌道に存在する、役目を終えた人工衛星やロケットなどを「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」と呼んでいます。近年、スペースデブリの増加やラージコンステレーション衛星の配備等により、特に地球低軌道域の混雑度合いが徐々に悪化しています。物体数の増加に伴い運用中の人工衛星が他の宇宙物体と衝突するリスクも増えているため、デブリの低減に加えてより確実な衝突回避のメカニズムを国際的に構築していく必要があります。
安全・信頼性推進部では、民間事業者など新たなプレイヤーの増加、活動領域拡大を踏まえ、デブリ発生防止や惑星等保護など持続性に十分配慮した対応がより一般化するよう、国際標準やベストプラクティスなどの普及・啓蒙を推進しています。NASA/ESAとの三極S&MA会合の枠組みにおいて、軌道利用の持続性を向上させるための施策を検討するタスクフォースをJAXA提案・主導で立ち上げる等、近年、日本がリードする分野です。
安全・信頼性推進部が取り纏めとなり、毎年社会環境報告書を作成しています。社会環境報告書は、環境負荷や社会的責任に関する取り組みに加え、皆様にJAXAが行う事業全般についてご理解をいただけるよう構成しています。ぜひご覧ください。
<社会環境報告書はこちら>
https://www.jaxa.jp/about/iso/eco-report/index_j.html