平安時代の初めに伝教大師最澄、弘法大師空海によって我国に伝えられた曼荼羅は、日本の仏教図像の根本として尊重されただけでなく、その文化全般にも大きな影響を与えてきた。日本における曼荼羅研究は、両界曼荼羅の伝来より、1200年の歴史を有している。
そうした日本伝来の曼荼羅については、1960年代から70年代にかけて、優れた研究が陸続として発表された。とくに石田尚豊博士の『曼荼羅の研究』(東京美術、1975年)は、日本の曼荼羅研究史上、最も重要な著作といってよい。同著によって日本伝来の両界曼荼羅の研究は、大きな峠を越えたといっても過言ではない。
これに対して本書は、石田博士が視野に含めなかった仏教の故国インドに目を向け、同地で5~6世紀頃に曼荼羅の原形が現れてから、仏教が衰亡する直前に成立した『時輪タントラ』(10世紀末~11世紀前半)に至るまでの、曼荼羅の成立と発展の歴史を解明することを目的としている。その構成は、曼荼羅の成立と歴史的発展を解明する第1部「研究篇」と、著者がサンスクリット原典を発見した重要文献の解題とローマ字化テキストを収録した第2部「文献篇」からなっている。
1 有用 西野鱼竿 2024-09-29 18:57:00 北京
作者1987至2009年间印度密教研究论著的总结性成果。虽然核心是从《大日》到《时轮》的曼荼罗发展史,但每一章节都对各个阶段密教经文的成立背景、文本构成乃至相关注释书做了介绍,文献与图像并重。可以说是目前最好的印度仏教tantra入门书。比较可惜的是瑜伽母续部分只重点讲了Samāyoga。