00:00ん
00:01ん
00:03ん
00:05ん
00:11ん
00:13昔 宮崎県延岡の通
00:19一人のヤマンバが住んでおったそう
00:24赤ちゃけた髪の毛を長く垂らしたヤマンバは 色の白い小さな女じゃん
00:34ん
00:35ヤマンバは 小さな山の崖縁に横穴を掘って
00:41そこに小石をいっぱい敷き詰めて暮らしておった
00:47すまんがな明日は嫁女祝いがあるんじゃ お膳と大輪を20組貸してくださらんかの
00:58このヤマンバの横穴にはお椀やお膳がたくさん用意されておって 村の人はお祝いがあったり葬式があったりするとこのヤマンバのところに借りに行ったのじゃった
01:16村人が声をかけるとヤマンバはいつでも頼んだだけのお膳とお椀を出してくれた
01:25じゃが何をするにもヤマンバは後ろ向きで決して顔を見せることはなかった
01:33はい
01:42それにしても今日の嫁女は綺麗じゃった
01:48ああやたいそうなべっぴんじゃ小石のやつよらく嬉しそうじゃった
01:54嫁女の方も嬉しそうじゃったよ
01:57なんせこげな立派な祝言あげられたんじゃから
02:01そりゃこげな見事な前夜不安はそうそうあるもんでねえからな
02:07本人やマンバさんがおるおかげじゃ
02:11この村に嫁女に来る娘っ子は幸せもんじゃねえ
02:16おい玄太おめえも早う嫁女もらえ
02:20おなんとこに来るんだったら天下一のべっぴんでなきゃだめだ
02:25なに贅沢言ってんだい
02:27ううそれならばヤマンバは嫁女にもらえ
02:30えええええええええええ
02:32何でも偉いべっぴんじゃと言うからな
02:36バカ抜かせほんとかい
02:39そのヤマンバがべっぴんじゃと言うのは
02:42あああああ
02:44うちもそう聞いたコツはある
02:46それなら顔見せればいいに
02:49そうじゃ
02:50あんヤマンバはなして顔を見せんのじゃ
02:53誰か見たもんがおるんか
02:56べっぴんじゃと言うた奴はヤマンバの顔を見たんじゃろ
03:01誰じゃ
03:02そりゃそういう話を聞いただけじゃ
03:05おらも見てねえ
03:07じいさま
03:09じいさまならヤマンバの顔を見たコツあるんじゃねえか
03:13うんや
03:15誰か見たもんがおるとか聞いとらんか
03:18知らねえ
03:20なんじゃ誰も本当には見とらんのか
03:24見落とした奴もおらんのじゃろ
03:27やだよ
03:28それじゃべっぴんかどうかわからんじゃないか
03:31だいたいあんヤマンバはいつ頃からあそこにおるんじゃ
03:36それならじいさまが知っとるじゃろ
03:39じいさま
03:40いつ頃からあんヤマンバおるんじゃ
03:42おらがこんまいわらしのころからあんヤマンバはあんなの中にすんどって
03:49そしたらヤマンバはじいさまよりとしおりちょこすか
03:54そりゃああんてはとしおりんてじゃなかったぞ
03:58ヤマンバ年とらんのかねえ
04:00そりゃただの人間じゃねえなあ
04:04べっぴんのおなごやらいうてほんとはばけもんじゃねえのかい
04:09それで顔見せんようにしとるんだわ
04:12おいしたらほんとにばけもんのかい
04:16したらしたら
04:18いったいどげな顔しとるんじゃ
04:21そりゃばけもんの顔じゃ
04:24だからだからどういう
04:27恐ろしい顔しとるのかねえ
04:29めんたまが3つあるとか
04:32おいうらまたこれから前後返しにいかねば何年だぞ
04:37そんなら俺が行ってきてやる
04:40ゲンタが
04:42いってついでにヤマンバの顔を見てきてやる
04:46おいバカなこつ言うんじゃねえ
04:49そうじゃゲンタ
04:51そげなこつするとたたりがある
04:54やめとくがえそげなむちゃなこつ
04:57へっ心配いられたかがおなごひとり
05:01ヤマンバはただのうなごでねえ
05:04顔を見たりしたら何さかわからねえぞ
05:07ほらヤマンバなんかおっかなくねえ
05:10やめとけって言っとるがわからねえのか
05:13話になねえなこのバカ
05:16え?バカとはなんじゃ
05:19バカはバカじゃ
05:21ヤマンバの顔を見に行くだのいうんは大バカじゃ
05:24なんじゃと?この臆病者めいが
05:27臆病者?そうじゃ
05:30できればおめえだって見てえくせにおっかなくて尻込みしてんだよ
05:34そげなこつあるか
05:36おらは見たくなんかねえ
05:38うそこけえ!見て見てって顔に変えてあんぞ
05:41おめえもおめえもおめえもみんなじゃ
05:45ほんとは見たくて見たくてうずうずしとるのにおっかねえもんだから
05:49でねえかこうでねえか
05:51しゃべくっとるしかできねえ
05:53腰のけども目が
05:55いえんだ
05:57いってはなんねえ
06:01言い出したら聞かんやつだ
06:12おいほっといていいだか?
06:15どげんすっちゅうんだ
06:17だからついていかんでええんか?
06:20そうじゃな
06:24本当に何が起こるか分からんな
06:27ついていかにゃいかんよ
06:29こうしちゃおられんわ
06:32行くんじゃ
06:33行くんじゃ
06:34はよ
06:35おい
06:36はよ
06:37はよ
06:45あんなじょう腰のけどもがついてきやがった
06:59おい
07:07me
07:10me
07:18ん
07:22おい借り取った伝統ワンを返しに来たぞ
07:29なぁも見えが オランロカー
07:34ん
07:49ああああああああ
07:52シュアー!
08:00おい!デンター、その手をはがせ!
08:22お!お!お!お!
08:38おい、デンター、しっかりせ!
08:41お!ヤマンバの顔は見たんか!土下な顔じゃった!
08:46ダメじゃ!まるで魂の抜け殻じゃ!
08:51ジン様!
08:54ん
09:08うきの彼女
09:11me
09:13なぁもねー
09:16ああああああああああああああああああああ あああああああああああああああ
09:26顔を得られていしもうたんじゃからな ゲートおめえがバカの子すっから
09:32バッカッチャー おめえも山場の顔を見てからついてきたんじゃろう
09:38誰もゲンタのことは責められねー
09:46ん
09:49なんじゃ何のことじゃん
09:54ほとんのようじゃ ひなことねー
10:00どこかねー 山場がないと思うかもしれん
10:06ん
10:11ことの音は高く 低く
10:17ひどく悲しげに響いてきた 村人たちはいつまでも穴の前に立って
10:25その音を聞いておった それ以来村人たちはこの小さな山のことを
10:33ことずっか と呼ぶようになったということじゃ
10:40ん
10:42ん