「ぶらっくさむらい」の芸名で活動するお笑い芸人の武内剛さん(40)が、2歳の時に1度会っただけのカメルーン人の父を、暮らしているとされるイタリアで捜す旅のドキュメンタリー映画製作を計画し、クラウドファンディングで資金を募っている。新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、自由な海外渡航が可能となる日の1日も早い到来を願いながら、準備を進めている。(小松田健一)
◆1度会ったきり30年余
動物園で小さな男の子を見守る黒人男性。武内さんが2歳の時、母の信子さん(76)に連れられ、父が住んでいたイタリアを訪れた時のスナップ写真だ。これが父子で過ごした最初で最後の機会で、記憶はない。
武内さんの父はドキュメンタリー映画の監督を目指しカメルーンからイタリアに渡り、現地の語学学校で学んでいた時、日本人の信子さんと出会った。しかし、2人は結婚せず、信子さんは単身で帰国後に武内さんを出産。名古屋市で証券外務員として働きながら武内さんを育てた。
武内さんは高校卒業後に渡米しニューヨークで演劇を学んだ。帰国後にお笑い芸人へ転身し、2012年にデビュー。「ハーフ芸人あるある」と、自身の容姿もネタにした。ピン(単独)芸人コンクールの「R―1グランプリ」で準決勝進出の実績がある。
信子さんは教育熱心で、少年期の武内さんにピアノや絵の習い事もさせていた。それは今の芸能活動に役立っている。一方、当時としては珍しかった出自や容姿が常につきまとった。小学1年のころ、ほかの子どもの遊びの輪に加わろうとしたら「ガイジンだ!」と逃げられ、肌の色がほかの子と違う...
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